西洋占星術の世界
ホロスコープによる仕事運診断 第1回
覚えれば覚えるほど、人生のいろいろな場面で活用できる西洋占星術のホロスコープ。現在や未来の運だけでなく、自分が本来持って生まれた能力、資質がよくわかるのも占星術の特徴です。今回は例として、とある一人の人物を想定し、仕事運を占ってみましょう。
◎女性:A子さん(1990年11月15日9時 東京生まれ)
アート関係の仕事に興味があり、デザイン事務所に就職したが、少し伸び悩みを感じているというA子さん。まず、ホロスコープの基本として全体の星(惑星)の配置や片寄りを見て、それから月など個人的な性質をあらわす惑星、そして、仕事運に関連する2室(ハウス)、6室、10室などの状態を確認していきます。
A子さんのホロスコープ
ホロスコープから見た性質や性格
A子さんの主要惑星の配置を見ると、7室から12室の南半球かつ10室から3室の東半球に太陽や月を含めて5つの惑星が入室しています。これは家庭のような身近な場所よりは広い社会に出ることを、また、他人よりは自分主体で生きることを好む性質を示します。能力面に関しては、太陽と金星が0度に近いアスペクト(意味のある角度)を形成していて、生まれながらに美や芸術に関心が深く、才能もありそうですが、ただ、金星のアスペクト自体は多くないので、表現方法や活躍の場は広いとは言えないかもしれません。乙女座の金星なので、少女趣味的なものや、繊細な雰囲気のものに惹かれそうです。
財運から見る仕事運について
財運につながる仕事運を示す2室のサイン(星座)は水瓶座で、2室には惑星がありません。水瓶座のルーラー(支配星)である天王星は目立つ部屋である1室に入室していて、海王星と0度に近いアスペクトを形成しています。乙女座らしい繊細で完璧主義的な芸術才能を備えていそうなA子さんですが、お金を得るための手段自体は型にとらわれないでしょう。自由な動きで自分の才能を外に打ち出していきます。ただし、海王星の影響が加わり、結果が必ずしも成功というわけではなく、宙ぶらりんで芽が出ないまま時間を浪費することも考えられます。
また、現在、雇われで働いているようですが、雇用運に関係する6室には火星が入室していて、水星と180度に近い厳しいアスペクトを形成しています。サインが双子座なので活気はありそうですが、雇用運は順調とは言えず、対人面などでトラブルが起こりがちです。突然、仕事を辞めたくなることもありそうです。
社会における活躍の度合いについて
と、あまり盛り上がりがなさそうな仕事運の傾向が並びましたが、2室・6室とともに重要な、社会での活躍をあらわす10室を見てみましょう。10室のサインは天秤座で、これは芸術関連の仕事に縁があると解釈できます。また、惑星は月が入室していて、この月は木星とクィンタイルという調和的なアスペクトを形成しています。クィンタイルは作用が弱めのマイナーなアスペクトですが、創造的な事柄に良い影響をもたらすと言われます。月なので大衆に支持される作品を生み出せそうです。また、社会での到達点を示すMC(ミッドヘブン)は火星と120度に近い良好なアスペクトを形成。目標に向かってエネルギッシュに前進できるでしょう。
総合的に見た今後の活躍
以上の結果から考えると、A子さんは本来、芸術的な感性や能力を持ち合わせていますが、勤め人という立場ではそれがフルに発揮できないかもしれません。しかし、独立運は良く、感性が多くの人に受け入れられそうです。他の人を頼らず、独立独歩でそこに向かう力もあるでしょう。
ホロスコープは人生における羅針盤のようなもの。どこに進めばいいか迷ったとき、ヒントや答えを教えてくれるのです。